おめでとう

 僕が最初に初音ミクを知ったのは親友の家でした。

 

 

 当時、学生だった僕には友達がおらず、通っていた学校では一人だけグループから孤立していて、誰にも話を聞いてもらえないような状況でした。

 

 他方、親友は自分とは他の高校に通っていて、中学時代から仲は良かったので、その流れである日に向こうから声をかけてもらい、ポツポツと一緒に遊んでくれるようになりました。

 

 

 

 やがて、どうにかこうにかその学校を卒業できましたが、自分は生来、頭も悪く、容量も人としての出来も悪かったので、その後何年か非常に苦しい時期がありました。

 

 主に就職や、人間関係においてすごく苦しい時期を過ごしている間も、親友はやっぱりそばにいてくれました。その頃の友達といえば、大袈裟じゃなくてその人一人でした。今でもその人には非常に感謝しています。

 

 

 親友は学生時代から、パソコンを用いて音楽をやっていました。実は僕も学生時代、どうにかして自分にも音楽ができないか、自分が大好きな音楽で、この鬱屈した日々を晴らせないのかと悶々と考えている時間が多かったように思います。

 

 その当時はDTMやボーカロイドの存在も危うかったので、弾き語りを試してみたり、「バンドを組みたい」と親友に打ち明けたりと色々しましたが、やっぱり先述の通り僕はこうなので、全てうまくいかず、結局悶々としていました。

 

 

 

 やがてパソコンを用いて、親友が相当数、自作曲を作った頃、僕に「歌詞を頼みたい」と声をかけてくれました。

 

 思い返せばそれが共作と呼ばれるものだったと思いますが、それが成功したのは後にも先にもこれだけで、その後はお互いのやる気やクオリティなどの問題でことごとくボツになりました。でも、その一曲がなければ僕は今日まで音楽なんてやっていないと思います。

 

 

 

 その曲に、言われた通り僕は考えて歌詞をつけました。作編曲はもちろん親友です。どうにか曲が出来上がり、さて誰に歌ってもらおう、と考えた時に、親友が仮歌を入れるためにと、たまたま購入して持っていたのが、「初音ミク」でした。

 

 

 

 親友の家で、自分の歌詞をミクに歌ってもらいました。その時の感動で、今僕はこういった活動をしています。これははっきりとそう言えます。

 

 

 

 

 時は流れて、僕と親友はあることがきっかけでプッツリ縁が切れ、連絡も一切取らなくなってしまいました。

 

 そのすぐ後に、また色々と経験して、それらが落ち着いた頃に、ふと僕は「DTMをちゃんとやってみようかな」、となぜだか思いたちました。

 

 その後、ある程度機材を揃えて、生まれて初めてボカロを買いました。実はボカロを使う以外にも、親友がいた頃にUTAU(重音テト)を使って同じようなことをしていた時期がありましたが、ボーカロイドとカテゴライズされるものを初めて自ら手にしたのは、その時でした。

 

 

 僕がちゃんと始めようと思った時に、そのボーカロイドに「初音ミク」を選んだのは、正直な話、特に深い意味はありませんでした。ただ、値段が一番安かったからと、ボーカロイドの中で一番有名だったからと、初心者にも扱いやすいボカロだという触れ込みがあったから、ただそれだけの理由でした。

 

 

 

 でも使い始めてからは、意識的にも、また自分があまり意識していない部分でも、ミクにはたくさん影響を受けてきました。

 

 もしこれが違うボーカロイドだったなら、僕の作る曲も全く違っていたでしょうし、今、僕と交流してくださっている方々にも会うことはなかったと思います。もちろん違っていれば違うなりの道があるでしょうし、その道も楽しかったかもしれませんが。。

 

 

 

 そして、ようやく初音ミクを、ちょっとずつでも使えるようになってきた時に、僕はミヤさんや夕猫さんや萌蔵さんや帽子屋さん、その他にもたくさんの、すごく良い人たちと会いました。そして奇しくもそれは、初音ミクの10周年に当たる年だったようでした。

 

 

 

 

 今回、突然の動画投稿になりました。正直、自分でやっておきながら、めちゃくちゃ恥ずかしい気持ちでいっぱいです。「サミング・アップ」は自分的には、本当に個人的に作った曲なので……。でもなぜだか本当に突然「投稿したいなぁ」と思いました。

 

 理由は多分、いっぱいあります。自分が前から作っていた曲を聴いてほしい、なんてバカな理由ではないです。今回公開した「サミング・アップ」は、先述の理由から、このような動画形式で公開する気はさらさらありませんでした。

 

 

 

 

 じゃあなぜ?? 今回、本当に無理を言って、自身で公開したてのイラストを使用させていただいた、素敵な友達の帽子屋さん、あのイラストに心底感動したためでもあります。みなさんがみなさんのやり方で、初音ミクを祝っている姿が綺麗でしょうがなかったからでもあります。

 

 ああ気持ち悪いですね。わかっていますとも。そもそもこの長文がすでに心底気持ち悪いので許してください。理屈になってない。。。

 

 

 

 

 兎にも角にも、素敵な皆さんに感化されたからには違いありません。なんというか、本当にありがとうございます。

 

 

 

 ミク、ありがとう、本当におめでとう、これからもよろしくね。

 

 

 

 

  恥ずかしい駄文、失礼致しました。。。

 

 ほなまた。